2024年度「ラーメン店」の倒産 高水準も減少へ 「1,000円」の壁より、問われる味と価格の満足度
2024年度の「ラーメン店」倒産は47件(前年度比25.3%減)で、集計を開始以降、最多の2023年度の63件から減少に転じた。麺原料の小麦粉やチャーシューの肉など、原材料の価格高騰や人件費、光熱費の上昇など、コストアップに苦しみながらも3年ぶり減少に転じたが、過去2番目の高水準だった。
ラーメン店の収益は、価格と回転数で決まる。これが「1,000円の壁」の原点であり、他業態のように利益率の高いアルコール類や他バリエーションへの横展開が難しいラーメン店の特徴の一つでもある。
様々な具材を載せて価格を上げても、原価が上昇するので利益率改善は難しい。度重なる価格の値上げも客離れにつながる。ラーメン店の生き残りへの苦悩は尽きない。
ラーメン店の開業への参入障壁は高くないが、生存競争は激しい。コロナ禍は時短営業や休業への支援効果で、ラーメン店の倒産は2021年度22件、2022年度も23件と低水準に推移していた。
だが、コロナ禍が落ち着くと同時に、円安とウクライナ紛争で小麦粉や食材の原料高に加え、光熱費の上昇や、人手不足などに見舞われ、倒産が急増した。物価上昇が続くなか、生活防衛の意識が高いお客にも「ラーメン一杯、1,000円」のハードルは下がり、物価高への“慣れ”で抵抗が薄まったようにも見えるが、度重なる値上げは客離れを加速しかねない。
2024年度(4-3月)の原因別は、販売不振が38件と約8割(構成比80.8%)を占めた。負債額別では1億円未満が39件(同82.9%)、従業員数別では5名以下が38件(同80.8%)と、小・零細規模のラーメン店の脱落が大半を占める。
地区別では、関東22件(前年同期23件)、近畿9件(同12件)、中部5件(同6件)など、北陸4件(同4件)を除き、2023年度より減少した。
長引く物価高などでお客の値上げへの許容度は高まっているようだが、ラーメンにこだわる博多、喜多方、熊本などでは倒産がほとんど発生していない。都心部では高付加価値、高価格帯のラーメンも登場する一方で、これらのご当地ラーメンでは昔ながらのシンプルな具材で費用を抑えているラーメンも多く、改めてご当地ラーメンのコストパフォーマンスが評価されているのかもしれない。
スープや麺など食材の価格上昇、ガス代などの光熱費の値上げは、今後も続く見通しだ。ラーメン店は、生き残りをかけて価格転嫁や差別化、オペレーションの効率化が求められている。
※ 本調査は、日本産業分類(細分類)の「ラーメン店」を抽出し、2009年から2024年までの倒産を集計、分析した。